菅原文太、松方弘樹…映画『仁義なき戦い』広島弁のシェイクスピア「魂の名台詞」 (4/9ページ)

日刊大衆

そして、次期会長候補の松村保(北大路欣也※別役で再登場)は現代的。「どいつもこいつも金で横っ面、ぴしゃげたるけん」

 かたや、天政会に反目する市岡輝吉(松方弘樹※別役で再々登場)は、反松村派の大友勝利(宍戸錠)と接近し、兄弟盃を提案。だが、五分の盃が面白くない大友はこう言い放った。「牛のクソにも段々があるんで。オドレとわしが五寸かい!」

 その後、市岡の死、大友の逮捕で、天政会が気になる存在は長い懲役を終えた広能だけになった。松村は広能に頭を下げて、広能の引退、広能組の天政会加盟を求めるが、広能は拒否。

 その後、大友&市岡陣営の残党に襲われた松村だが、瀕死の状態で三代目襲名式場に現れた。そこに広能が来て、松村の意向通りにすることを告げる。そして、武田に言った。「アキラ、こんな、ええ若いもん連れたのお」 武田は返す。「わしらの時代は終わったんじゃけぇ、落ち着いたら一杯飲まんかい」 これを広能は断った。「死んだ者に悪いけのう」 卑劣な山守を反面教師とする広能の頭の中には、抗争の犠牲になった仲間や若者たちの姿があったのだ。

 極限の演技から生まれた名台詞の数々。男たるもの、学ぶことは多い。

■梅宮辰夫、伊吹吾郎…『仁義なき戦い』名言集

「わし、これから腹、切るけんのう」(若杉寛)獄中の若杉(梅宮辰夫)は保釈されるために、隠し持ったカミソリで腹を切り、なんちゃって自殺を広能に告げる。

「こりゃ馬のションベンか!」(上田透)山守組の賭場で、ビールを飲んだ上田(伊吹吾郎)の台詞。「ビールなら、もっとヒヤいの持ってこいや」と続く。

「銭になりもせんことしやがって!」(山守義雄)面倒な人物と喧嘩をした広能への苦言。観る者は、そのひと言で、この親分が器の小さい人物だと知ることに。

「子が親に銭出し渋る極道が何処におるんない!」(山守義雄)上納金(儲けの7割!)を取り過ぎだと、坂井ら幹部連中に指摘された山守が吐いた、鬼のような捨て台詞。

「親のわしがやることが気に入らぁな、盃返して出てけ」(山守義雄)坂井に実権を握られると恐れた山守は、こう恫喝。

「菅原文太、松方弘樹…映画『仁義なき戦い』広島弁のシェイクスピア「魂の名台詞」」のページです。デイリーニュースオンラインは、松方弘樹梅宮辰夫千葉真一喧嘩菅原文太エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧