叱られてる内が華?「武士の世」を目指した源頼朝の意識改革と、違反した御家人への悪口雑言を一挙公開 (3/7ページ)

Japaaan

職務怠慢としてお前らの所領は没収、その命はないものと思え!」

【原文】
「下す、東國侍の内、任官の輩の内、本國に下向することを停止(ちょうじ)せしめ、おのおの在京して陣直公役を勤仕(きんじ)すべき事。
(中略)もし違ひて墨俣以東に下向せしめば、かつはおのおの本領を改め召し、かつは斬罪に申し行はしむべきの状、件のごとし」

頼朝公の怒りはこれに留まらず、自分の推薦もなく朝廷より官位を受けた御家人24名を名指しして、痛烈な面罵と皮肉を食らわせたのでした。

今回はその中から、特に興味深いものをピックアップしていきます。

言うも言ったり、罵倒あれこれ 兵衛尉 義廉(ひょうえのじょう よしかど)

【意訳】
「お前は昔『頼朝なんて将来性がない。仕えるなら木曾義仲だよね!』とか何とか言って、親子で寝返ろうとしていたこと、俺は忘れてないからな!

【原文】
「鎌倉殿は悪しき主なり。木曾は吉(よ)き主なりと申して、父を始め親昵等を相具し、木曾殿に參ぜしめんと申して、鎌倉殿に祇候せば、終には落人と處せられなむとて候ひしは、何に忘却せしむるか。希有の悪兵衛尉かな」

佐藤兵衛尉忠信(さとう ひょうえのじょう ただのぶ)

歌川国芳「名高百勇傳」より、佐藤忠信。

【意訳】
「(お前の元主君である)藤原秀衡の家来が兵衛尉に任じられたことはこれまでなかったが、奥州の田舎武士が身の程をわきまえやがれ、このイタチ野郎!

【原文】
「秀衡が郎等衛府を拜任せしむる事、往昔よりいまだあらず。涯分(がいぶん)を計りて坐(おは)せられよかし。その氣にてやらん。

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