これまでのあらすじ
前回の記事
おごり高ぶる平家一門を討伐するべく挙兵した源頼朝(みなもとの よりとも)に付き従った北条義時(ほうじょう よしとき)は、数々の困難を乗り越えて鎌倉に入り、坂東に勢力基盤を築き上げます。
そんな中、頼朝の浮気が発覚して妻・北条政子(まさこ。義時の姉)が激怒。実家の北条一族を巻き込んだ壮絶な夫婦喧嘩の挙げ句、一時は鎌倉が分裂しそうな大騒動に発展。
……幸い事なきを得たものの、平家討伐の戦いはまだ始まったばかり。こんなところで内輪揉めをしている場合ではないのでした……。
長男・泰時の誕生、そして平家の滅亡さて、気を取り直して武勲を目指す義時でしたが、鎌倉分裂の危機を回避した一件以来、なかなか頼朝が手元から放してくれません。
「あの、それがし戦さ働きを……」
「よい。そなたが我が傍らにおることこそ、何よりの忠功じゃ」
「……はぁ」
よっぽど北条一族に見放されるのが怖いのだろうな……それならば妻(姉の政子)を大切にし、浮気などせねばよいのに……そんな事を思っていた義時も寿永二1183年、長男の北条泰時(やすとき)が誕生しました。