開幕直前の「COP21 パリ会議」、その認知度は…!?高い意識と低い理解、地球温暖化対策の課題に迫る浮かび上がる期待と現実のギャップ (7/10ページ)

バリュープレス


しかし、先進国の中でも最も温室効果ガスの排出量の多い米国が脱退してしまい、経済発展して排出量が増えた中国やインドも削減の義務を負いませんでした。そのため、地球温暖化対策としては意味の薄いものになってしまったと言えるでしょう。その時の反省を受けて、今回のCOP21では、2020年以降に全ての国が参加する枠組みへの合意が目指されています。
そのために、各国が自主的に目標を設定することが前提になりました。先進国と発展途上国では温暖化に対する責任の重さは違います。それぞれの国によって、温暖化対策にどう取り組めるかの状況も異なります。自主性を尊重したことで、初めて米国、EUに所属する各国といった先進国はもちろん、中国やインドなどの新興国を含めて全ての国が参加する枠組みができると期待されているのです。ただし、自主性を重んじると、「楽をしよう」とする国が出てしまう心配もあります。各国が出した目標を、互いにレビューするルール作りが必要です。

◆ 日本に求められる貢献
Q. 日本では、温室効果ガスの削減目標を達成できるのでしょうか?

日本は、「2030年に2013年と比べて26%削減する」という目標を掲げています。この目標を達成するためには、エネルギーの作り方をこれからどうしていくかが重要です。
日本では、福島の原子力発電所の事故以降、ほとんど全ての原子力発電所が停止し、現在、石油や石炭、天然ガスを燃やして電気を作る火力発電に発電量の9割を依存しています。再生可能エネルギーも急速に伸びていますが、風力や太陽光などの発電により賄えているのは、全体の2%程度です。そのため、震災前は約13億tだった温室効果ガスの排出量が、1億tも増えてしまっています。2030年には、再生可能エネルギーも原子力も約2割程度活用し、さらに、省エネを推進することで削減目標を達成することを考えていますが、課題は多いでしょう。
再生可能エネルギーの普及支援策である固定価格買い取り制度は費用対効果が悪いので、より経済効率の良いシステムが不可欠です。原子力発電については、安全性に関する議論が続き、世論や40年廃炉問題に揺れており、非常に不安定な事業環境にあります。
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