【特別レビュー企画】正月なので10年前の週刊少年ジャンプを読んでみた (4/7ページ)

デイリーニュースオンライン

『D.Gray-man』

 なんだか全然よく分かんないです。リナリーという女の子(確か蹴りを使う子だっけ?)がエシという敵と戦ってます。10年前だからというだけでなく、当時から話の展開がよく分かってなかったんですよね……。

 これは根強い人気のある作品らしく、作者の体調不良で掲載誌を変えてからも連載を続けており、今もまだ続いているようです。過去にはアニメ化もしており、2016年度には再びアニメ化が控えています。

 しかし、連載当時から僕にはあまり魅力の分からない作品で、今あらためて読んでみてもピンと来ませんでした。独特の雰囲気がある漫画なので、その点が一定の層に受けているのでしょうか。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』

 六道骸と主人公(ツナ)の戦いで、おそらく決着が付いた回です。

 リボーンは序盤がドタバタギャグで、それが途中からシリアスなバトルモノに変わりました。バトル化した後の最初のシリーズのラスボスがこの六道骸だったと思います。六道骸は最後まで出張ったキャラであり、キャラ格も落とさなかった良キャラなので、今回このシーンが出てきたのはちょっと感慨深いものがありますね……。

 ちょっと面白かったのが、骸が幻覚のビジョンを飛ばすシーン。幻覚だと見ぬいたツナは不動の姿勢でそれを受けるのだけど、幻覚の中につぶてが仕込まれていて、幻覚は擦り抜けるけどつぶてに頭を打たれて隙を見せてしまうシーンです。

 リボーンというと、もっと後のシリーズで、仲間キャラの山本という剣士が、敵に向かってダッシュ斬りをしようとしたところ、幻覚によって不可視化されていた壁に思い切りぶつかって失神するシーンが有名です。「必死に修行した結果が壁にぶつかって失神かよ!」というツッコミどころでもあり、一方で「しかし、幻術を利用した戦術としては非常に効果的」という評価もあって、ネタ的な意味でもストイックなバトル描写という意味でも人気のあるシーンなのです。

 それと似たようなトリックをこの頃から仕掛けてたわけで、ここはちょっと興味深かったです。

『FOREST』

 内水融先生のこの漫画、内容はともかくタイトルはハッキリ覚えてました。凄く面白かった覚えがあります。

 で、いま読んでみても凄く面白かったです。村を荒らす盗賊団。盗賊団退治に雇われた剣士。傷を追って逃げ出した盗賊団首領ロイが、山の中で自活している少女と出会い共同生活を始める。少女は村の解放奴隷でかつて村人に母を殺されていた。ロイを討ちに来た剣士は二人の仲睦まじい姿を見て躊躇い、ロイを殺せない。最終的にロイは少女を庇って村人に殺され、少女は剣士と共に旅に出るお話です。

 読切というやつはいかんせんページ数の制約が厳しく、あまり多くの要素は盛り込めないものです。ジャンプの読切で言えば、「舞台説明」→「主人公説明」→「事件発生」→「主人公が活躍」くらいをベースにメッセージ性を一つ盛り込むくらいが精々です。

 しかし本作では、ロイを主人公に据えつつ剣士も同じくらいの存在感を発揮しており、ダブル主人公と言っても差し支えなく、この時点で要素が多い。また、主人公がヒーローでもダークヒーローでもなく純然たる悪党であり、むしろ剣士の方にヒーロー要素が傾いてるのも目を引きます。それでいて悪人であるロイに感情移入できる作りになっていて、これだけテンプレを脱しておりながら、きちんと扱いきれてるのがすごい。

「解放奴隷」と「無くならない差別」という重いテーマを扱っており展開もシビア。人間の邪悪な面が強調されるし、主人公なんて最後には死んでいるのに、それでいて読後感も良い。村人たちの悪意や、悪人のはずのロイが見せる善意が、話の都合上ではなく自然な形で描かれているのがポイントなのでしょう。

 キャラ設定も話の流れもよくある読切漫画からは一線を画しており、マスターピースと言える出来。今回の企画で『FOREST』を再読できたのは嬉しい偶然でした。なお、この読切は内水先生の『カイン』第3巻に収録されている模様。

「【特別レビュー企画】正月なので10年前の週刊少年ジャンプを読んでみた」のページです。デイリーニュースオンラインは、漫画アニメ映画連載などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る