ボイルドエッグズ新人賞受賞! 大注目の現役大学生作家・小嶋陽太郎さん「小説家になるしかなかった」 (2/5ページ)

学生の窓口

うまく言えないのですが、就活をすることのモチベーションを自分の中に設定することがどうしてもできず、とにかく困ったなと思っていました。

合同説明会に行っても、受付に名前を書いただけで耐えられなくなって帰ってきてしまうというような状態で。そんな調子だったので就活は諦めることにして、となると残るのが小説くらいしかないので、自然に「小説家としてデビューするしか生きる道がないな……」とそのときは短絡的に考えていました。馬鹿みたいなんですが。

――なるほど。「第16回ボイルドエッグズ新人賞」を受賞されたのが2014年ですから、それまで約1年ほどですね。その間に書かれた小説はどんなものでしたか?

小嶋さん そうですね、例えば、僕は二十歳のころ電車に乗れなかったんですよ。それを小説にしたりだとか……。

――それは「乗ったことがなかった」という意味ですか?

小嶋さん ひとりで乗ったことがほぼなくて、本当に切符の買い方や乗り換えなどがわからなかったんです。で、その小説を『坊っちゃん文学賞』に応募して箸にも棒にも掛からなかったり、とか(笑)。

*記者注……小嶋さんは長野県松本市生まれで松本市育ち。信州大学人文学部は松本市にありますから、それまで特に電車移動をする必要がなかったようです。

――受賞までにどのくらいの小説を書きましたか?

小嶋さん 書き上げたという意味では、短編・中編・長編など3本ほどだと思います。

――その1年の経験で、すぐに賞を獲得されたというのはすごいですね。受賞したときはいかがでしたか?

小嶋さん 4年生の1月(卒業間近)になってから、実は卒業できない状態だという話を家族にしました。それまでにも何度か「おまえは卒業して就職する気あんのか? 将来どうするんだ」みたいなやり取りもありつつ……。

家族会議で、母、姉から就職するようにとさんざん怒られまして……。家族に「ごめんなさい留年させてください、就職のことは来年考えます」とかなんとか、正座して告白した翌日に「第16回ボイルドエッグズ新人賞」を受賞したという連絡の電話がかかってきました。

――それは劇的なタイミングでしたね。

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