人気ディズニー映画のモデルとなった物語のダークな内容その2 (5/7ページ)
傷ついたムーランは父の待つ家に戻り、愛情を持って迎えられ、最後はムーランの想い人が故郷を訪れてハッピーエンドというのがディズニー版です。
原作では、家に戻ると父親はすでに他界しており、母親は再婚。それだけではなく、外国の支配者の内妻にされそうになり、従いたくないムーランは自ら命を絶ちます。
■『塔の上のラプンツェル』
森の中の塔の上に隔離され、自分の誕生日の夜の空に現れる無数の灯の正体を確かめることを夢見る少女を描いた作品。
本作は『ラプンツェル(髪長姫)』が原作です。最も有名なグリム童話のものでは、王子が塔から落ち、着地した先の藪に目を突かれて失明してしまう内容。ヴィランのゴーテルは、おとぎ話風の罰を受けて終わります。
一方、17世紀のイタリアで伝えられている話では、少女は母親が少女を身ごもっていた頃に鬼女の畑で栽培されていたパセリを盗んだことの報復として、塔に閉じ込められたとされています。
閉じ込められてから脱出までの展開に大きな違いはありませんが、逃走の方法は異なり、少女は王子と恋に落ちて逢瀬を繰り返した後、鬼女を眠らせた隙に塔から逃走するのです。
その際、3つの魔法のドングリを投げて、追いかけてくる鬼女の邪魔をします。1つめのドングリは大きな犬に、2つめはライオンに、3つめはオオカミに変身し、鬼女を丸呑みして、2人は無事に逃げ切るのです。