火星に入植するうえで鍵となる10種の先端技術は何か? (9/10ページ)

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 さらに育児もまた特殊だろう。妊娠したラットを宇宙に送った後、帰還させ出産させた実験では、無重力のせいで赤ちゃんの上下の感覚が適切に発達しないという結果が得られている。だが、上下感覚は数日後に正常に戻り、赤ちゃんが通常の重力に順応したことが示唆された。

 だが、これはそれほど差し迫った問題ではないのかもしれない。ある研究者によれば、低重力下に長期間いると男女ともに生殖能力がダメージを受けるそうだ。つまり最初の火星入植者は子供を諦めなければならないということだ。

1.帰り道

出典: karapaia

 先述のマーズワンが計画するのはあくまで火星への片道切符である。地球に帰還する方法については一切考慮されていない。MITのレポートによれば、どう贔屓目に見てもマーズワンによる入植者は即座に全滅するそうだ。火星への片道切符と言えばロマンチックに聞こえなくもないが、太陽系の植民化において、宇宙空間に人を置き去りにするのは最善ではないだろう。

 幸いにも、NASAが計画するのは往復切符だ。もちろん大変な技術的挑戦なのであるが、意外にも地球への帰還は比較的楽な部類なのだそうだ。地球帰還船(ERV)を火星の軌道上に待機させ、その時が来たらこれを使用する。難しいのは、帰還船までたどり着く方法だ。火星の大気を通過し、軌道上まで到達するには大量のエネルギーが必要となる。その生産には数年かかるほどだ。

 NASAの解答は、前もって火星に送り込んでおいた火星上昇船(MAV)を使って帰還船に到達することだ。火星上昇船は火星に着陸すると、大気から二酸化炭素を抽出し、これを燃料に転換する。

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