【現代医学】戦国時代の鉄砲の殺傷能力は高いのか? 撃たれると鉛中毒で死亡する可能性アリ (6/9ページ)
詳しく申しますと、クロストリジウム属の細菌によるものとそれ以外(大腸菌など)に分けられますが、戦争や災害などによる外傷性のものはクロストリジウム性ガス壊疽が多いので、この先はそちらに絞って話をいたします。
・酸素濃度が高い場所でも生存
クロストリジウムは嫌気性で芽胞を形成するグラム陰性の桿菌です。その菌は、土壌内部や生物の腸内など酸素濃度が低い環境に生息。したがって大気レベルの酸素濃度でも死滅してしまうのですが、「芽胞」と呼ばれる状態を作ることで酸素濃度が高い場所でも生存できます。芽胞のイメージは、分裂などの生命活動ができない代わりに、強度なバリアを張っている、ドラクエでいうなら「アストロン」な状態です。
・毒素が血中に流入して敗血症を起こし多臓器不全で死亡
続けて、いざ銃弾で撃たれた時の発症状態を考察してみましょう。弾丸が体内に入る時、このクロストリジウムや芽胞を一緒に巻きこんだとします。弾丸は周囲の組織を挫滅させますので当然そこは血行障害の酸素不足となり……もう分かりますかね? 嫌気性菌には「ヒャッハー」な環境となり、早いものですと外傷後、数時間で傷の痛みが強くなり、発赤の範囲が広がります。
・多臓器不全で死亡
最初は赤く腫れますが、壊死により創は褐色から黒色に変色、ガスが発生するためサクサクとした雪を握るような握雪感を呈します。そして強烈な腐敗臭やドブ臭を発散……。進行すると壊死物質や毒素が血中に流入するため敗血症をおこし、多臓器不全で死亡するのです。怖い、怖すぎる!
・フットケア大切
最近は戦争などでの外傷性ガス壊疽は減っておりますが、糖尿病などで免疫が低下している方が傷を契機に非クロストリジウム性ガス壊疽を発症するというケースが増えておりますのでご注意下さい。フットケア大切です。なお、ガス壊疽の治療法は、原因菌に応じた抗生剤の大量投与となりますが、クロストリジウム性の場合、酸素に弱い性質を利用して高圧酸素を投与する場合もあります。