解剖学がなかった時代、昔の人が人体に住んでいると考えていた10の奇妙なモノ (5/9ページ)

Amp.


6. ホムンクルス

出典: karapaia

精液の中のホムンクルス。ニコラス・ハートソーカー『Essay de dioptrique』1694年

 微生物学の父、アントニー・ファン・レーウェンフックは、顕微鏡で初めて精液を観察し、1677年に精子を発見した。そして、人間は卵から生まれるのではなく、男性の精液の中にいる極微動物から生まれると仮定した。極微動物は単細胞生物のことをさす昔の言葉で、顕微鏡が一般的になると、これらがうごめく世界が急に注目されるようになった。

 レーウェンフックの生徒だったニコラス・ハートソーカーは、のちにネジ式顕微鏡を発明したが、師よりも早く精子の発見をしていたと主張した。誰が最初だったのか論争が起こったが、レーウェンフックのほうが先輩だったので、彼に軍配が上がった。ハートソーカーは実際に精液の中に小さな人がいるのを見たわけではなかったが、レーウェンフックと違って、人間が発生する前成説として精子論を支持した。つまり、生育環境である女性の子宮の近くに到達する前に、すでに精液の中に小さな赤ん坊がいるというのだ。彼はこれを、錬金術師が不可解な手段によって作り出したと言われる小さな成人、ホムンクルスと呼んだ。

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