デザインに批判が殺到! 悲運のお札「A10円札」って知ってる? (1/2ページ)

学生の窓口

現代人の生活に欠かせない「オカネ」。なにが印刷されているのか、しげしげと観察するひとは少ないでしょうが、過去にはデザインが気に入らないと騒ぎになったお札が存在します。1946年に発行された「A10円札」です。戦後初めての千円札を発行しようとしたところ、GHQからあれこれ注文がつき、肖像やデザインを変更してA10円札に生まれ変わらせました。しかし、さんざん苦労して発行したのに、デザインが「米国」の文字をモチーフにしている! などクレームが続出……やがてはGHQの陰謀説まで飛び交った悲運のお札です。

■発行されなかったA1,000円札

戦後に発行された紙幣は、順にA,B,C…が名前の先頭につきます。現在の、福沢諭吉(ふくざわゆきち)が肖像にもちいられている一万円札はE号券やE1万円札と呼ばれます。ひと世代前のD1万円札も福沢諭吉が描かれていますが、なにが変更されたかわかりますか?

終戦を迎えた日本は、激しいインフレに悩まされていました。生活もままならないほど物資が少なく、旧軍人への退職金の支払いなどによって「オカネ」も減り、政府はこの状況を打破するために「新円切り替え」を行いました。1/5/10/100/500/1,000円の6種類をあらたにデザインし、発行準備に取りかかっていたのですが、GHQから思いもよらぬクレームがつきます。高額の紙幣を作るとよけいにインフレが進む、の理由で500円と1,000円札にダメ出しされてしまったのです。ハイパー・インフレの結果「100兆ドル」札まで登場したジンバブエの例もあるので、これは理解できないことでもありません。ところが、GHQからのダメ出しは「肖像」にまでおよび、
 ・A1,000円札 … 伐折羅(ばさら)大将像=「怒り」
 ・A500円札 … 弥勒菩薩(みろくぼさつ)像=「悲しみ」
を表しているとこれらもボツ。

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