東京から岡山へ、Uターンで「仏を彫る」生き方を選んだ元教師【後篇】 「一番大切なのは諦めずに続けられること」 (4/4ページ)
一番大切なのは彫刻、仏像彫刻が好きであること、諦めずに続けられることでしょう。職業でなくて仏像を彫るのは、自分を見つめることにつながるし、どんなに拙いものでも心安らげるものが出来上がるはずです。それもまたひとつの喜びや満足感を生み出してくれますよ。
―ありがとうございます。
こちらこそ、ありがとうございました。
工房の様子
今回、インタビューに応じて頂いた伊久さんの話を聞く限り、仏像とは縁遠い我々からすれば、その内容は、本当に"気の長い作業の連続"で、それこそ「好きでなければつとまったものじゃない仕事」というのが、素朴な印象だ。しかも、技術的な意味で上達したからと言って、必ずしもそれがすぐさま生業になるかと言えばそうではなく、そうした面でも、伊久さんの言うところの、"釣り針を付けないで糸を垂らし釣り続ける太公望のような心境"が必要なようだ。世間では「好きを仕事にする」といった言葉が用いられることもしばしばではあるものの、やはりその「好き」と「仕事」との間には、「を」という一文字以上の重みと、それを繋げるための計り知れない努力が求められているのかもしれない。
取材/聞き手・鈴木将義
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