東京から岡山へ、Uターンで「仏を彫る」生き方を選んだ元教師【後篇】 「一番大切なのは諦めずに続けられること」 (1/4ページ)
【インタビュー】
東京から岡山へ。教師から仏師へ―Uターンで"仏を彫る"生き方を選んだ人・伊久利幸さん(後半)
この度、AOLニュースでは、東京で高校教師として働いていた生活から一転、故郷の岡山にUターンし、現在は、"仏師"として仏像を彫ることを生業とする伊久利幸さんにインタビューを実施。
Uターンのきっかけや、Uターン生活について、さらには仏師として生きていくきっかけや、気が遠くなるような仏像づくりの作業についてうかがった前半に引き続き、後半では、ちょっと意外な"精神統一"の方法や、気になる"対価"について教えてくれた。
不動明王―制作に入っているときは、どのようなことを考えているものなのでしょう?
私は、結構雑念が入ります(苦笑)。いろんなことを考えていますね。というのも、今持っている100%の力と集中力で彫っても、なぜか思い通りに彫れません。力を入れすぎて、とんでもないところまで傷つけてしまったり、大切な部分を削り落してしまったり、ひどい時は、自分の手をブスリ。つまり、80%くらいの力と集中力とがどうも適しているようです。彫っている時、人の声は聞こえませんが、風の音や虫の音は不思議と耳に入ってきます。
―そうした集中力を保つ秘訣というか、仏師ならではの変わった作法やしきたりのようなもの、制作上のルールのようなものはありますか?
特にないと思いますが、精神統一のため、集中力を高めるために、滝に打たれたり、水垢離したりする人はいるかもしれません。あと、白か紺色の作務衣を着て作業をする方がおおいですね。わが師、長谷川隆鳳氏は紺の作務衣を着ていることが多いですね。