“長生き”を実現するクルマ社会を目指して (3/5ページ)
――電気自動車で、ひとが長生きできるようになるということですか?
そうです。私が大学で環境問題について教えていたときからずっと考えていたのが、「人間の究極の目的とは何だろう?」ということです。そして、最終的にたどり着いたのが、「結局、人間の目標は長生きじゃないか」という結論でした。
一般的には医療と食べ物が長寿の秘訣といわれますが、私なりに考えて、4つの長生きの条件を導き出しました。それが、「過酷な労働からの解放」「リスクの回避」「クリーンな環境」、そして「喜怒哀楽の“喜”と“楽”を増やす」ことです。
「過酷な労働からの解放」についてはP・F・ドラッカーも言及していますが、過酷な労働を強いられていた時代のひとたちは寿命が短かったといわれます。この点に関して、電気自動車は、移動という人間の活動=労働を軽減する役割を果たします。さらに、交通事故というリスクを回避し、排気ガスのない環境を生み出すことが可能です。

――試乗して感じましたが、喜びや楽しみもたくさんありそうですね。
「好きな場所に、好きなときに、素早く行ける」という喜び。移動=旅をするという楽しみ。車窓を流れる景色を眺める楽しさ。さらに、加速による原始的な快感など、多くの“喜”と“楽”をもたらすことができると思います。そういう意味でも、電気自動車および自動運転というのは、長生きにつながるものだと言えると思うんですね。
さらに突き詰めると、本人自身の長生き、家族の長生き、社会の長生き、そして現代を生きる私たちが真剣に考えなければいけない地球の長生きも実現できます。
また、視点を変えると、そのような乗り物を開発・普及していくことを自分のレーゾンデートル(存在理由)と考えている私自身にとっても、電気自動車は「幸せに、長生きできる」ことにつながっているとも言えます。
――小さい頃から好きだったモノを一生の仕事にできるということは、とても幸せですよね。