「もし宇宙人と出会ったら?」という疑問から、現代のコミュニケーションを考える-京都大学木村大治教授の研究 (4/8ページ)

学生の窓口

ですから、SFに登場する宇宙人も物分かりのいい連中が多いような気がします。最初は対立していても、最後は打ち解けたりとかね。

――なるほど。確かにそうかもしれません。

木村教授 SFの中には、「ソラリス」とか、全くコミュニケーションが取れないような宇宙人が出てくる作品もありますが、それはむしろ少数のようです。

私は、このようにどうしても人間のイメージが登場してしまうという現象を、「人間の汚染」と呼んでいます。

――「人間の汚染」はヒトを投射することによって起こるわけですね?

木村教授 想定したいのは、そのような人間もどきのような宇宙人ではなくて、極端な他者、いわば不可知性を持つ宇宙人です。そのような宇宙人とコミュニケーションを取る手段はあるのか? といったことを考えるわけです。

――それは面白いですね。先生は研究の目的をどのようにお考えでしょうか?

木村教授 「極端な他者」とのコミュニケーションについて考えることでしょうか。

人間同士では、例えば言語がまったく通じなくても、どこかに「通じ合うもの」があります。これは「同じ人間」という身体的、文化的な基盤に根ざしたものです。

しかし「同じ人間」というのを消したときにはどうなるでしょうか。

例えば人間に近いチンパンジーなどの観察をしていると、彼らがどういう気持ちなのか徐々にわかってきます。

しかし、地球の生物でない宇宙人なら? また、本にも少し書きましたが「AI」はどうでしょうか? 人間は分かることができるでしょうか。

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