エリには「2度目のデート」がない#夢みるOLの終わらない恋のはじめかた (2/6ページ)

ハウコレ


待ち合わせ場所の像には、こちらをチラチラ見ている背が高い青年がいた。近づくと目を輝かせてお辞儀をしてくる。来た!!やはり彼だ。想像以上にイケメン!エリ好みの子犬のようなジャニーズ系。今回は当たりだ。

「・・・エリさんですよね?」
「そうです!だいちくんですよね?よろしくお願いします〜!」
年上として浮かれて見えては恥ずかしい。余裕がある風に返事はしたものの、内心自分がおばさんに見えてないか、服装とメイクは彼の周りにいるだろうキラキラ女子大生に負けてないか不安と焦りでいっぱいだった。

年下と付き合ったことがないエリはどこまでリードすればいいかもわからない。
そんなエリの心配とは対照的に、目の前のイケメン大学生は涼しい表情だ。


「あの、ここらへん、僕あまり詳しくなくて・・・。お店ご存知ですか?」
「あ、えっと、いいよー!じゃあ軽く飲もっか!」


これが同い年の男だったら心の中で軽く舌打ちをしていたが、相手がイケメン大学生だとなんでも許せてしまう。

女子会だったら写真を撮りまくっていたであろう、近くのオシャレ個室居酒屋に入る。でも今日の相手はアプリの人。最近はインスタに上げられない行動ばかりだ。


デート中に話を聞く女性



イケメン大学生との話題は、サークルの話、バイトの話、ゼミの話にして、ひたすら聞くことに徹した。
自分の仕事の愚痴や友達の愚痴を聞いてもらったところで立場が違いすぎてつまらないだろうと思ったからだ。


大学時代の自分から見て「5歳年上の社会人」はとっても大人に見えた。果たして今の自分はどうだろうか・・・。少なくともマッチングアプリで年下と出会う大人には警戒してたな・・・とエリは話を聞きながら何度かふと我に帰る瞬間があった。



それにしてもお酒で赤くなってきた目の前のイケメンはかわいい。意外と歳下も悪くないのかも。
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