数学は別の宇宙にも通じる真理! 数学研究のトップランナー・河東泰之先生に数学の魅力を聞いてみた!#学問の面白さ (3/5ページ)
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この作用素を足したり掛けたりする枠組みを「作用素環」といい、作用素環論では、作用素環の構成・分類や、現れる性質を調べます。
――この研究からどんなことが分かるのでしょうか?
作用素環論は、多くの数学研究に関係しています。
例えば、20世紀の終わりごろから活発に研究されているもので「ひもの絡まりを数学的に表現する研究(結び目理論)」がありますが、20世紀の終わりごろに、それまでは関係ないと思われていた作用素環論と関係があることが分かりました。このように、別の数学研究とのつながりが明らかになると、研究がより広がります。
また、無限に並ぶ数字の性質を調べる作用素環論は、理論物理学や量子力学の世界でも重要なものです。これらの分野の最先端研究には欠かせません。
――作用素環論の研究は、私たちの生活にどのような影響を与えますか?
身近なところでいえば、コンピューターの発展への影響でしょうか。
近年、量子力学を応用して計算を行う高性能な「量子コンピューター」が注目されていますが、理論部分の基礎付けには作用素環論が関係しています。
――量子コンピューターの発展によって、これまでにない画期的な研究成果が出たり、予想もしなかった発明がされたりするかもしれませんね。研究に終わりはないとは思いますが、先生には「今後こうしたことに取り組みたい」という目標はありますか?
なかなか難しいとは思いますが、無限次元空間での物の働きを数学的に解析して、その中から面白いこと、興味深いことをまとめた「よい作用素環の完全なリスト」を作ってみたいですね。
――そのリストを基に、新しい研究や発見が生まれるかもしれませんね。