「研究」の醍醐味ってなんですか? 「お城」考古学研究の第一人者に話を聞いてみた #学問の面白さ (3/7ページ)
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お城を研究すると、その時代・その地域の社会の仕組みまで推測できる

――お城の研究でおもしろいことは何でしょうか?
お城を研究しているといろんなことが見えてくるのです。いわゆる戦国時代のお城をとってみても、当時は中央集権でなく究極の地方自治の時代でしたから、地域によってお城の姿が違っていました。
お城を築くためには膨大な人力、お金がかかるわけで、そのお城の規模を見れば財力や動員力が測れます。また造りを見ればどのような技術が使われているのかが分かります。中世のお城は石垣のないものも多いですが、石垣を造る技術がどこからどのように伝わったかを調べれば、技術の伝播のルートから当時の人や情報の往来について証明できます。
――なるほど。
みなさんはお城の建物には瓦が葺(ふ)かれているのが当たり前と思われるかもしれませんが、瓦葺きの建物が一般的になるのは江戸時代の初めで、瓦も石垣も元々は寺院が継承した技術でした。石垣は平安時代以降に山岳寺院を築くために取り入れられ、それが戦国時代になって武士の城に応用されたのです。
――知りませんでした。
お城というとその地域に偉い殿様がいて、その命令で造ったというイメージですが、それだけではできません。経費はもちろんですが、技術、家臣や領民との関係など、城は地域社会の総合力を反映したのです。
つまり社会のあり方や仕組みとセットになって、初めてお城はできたのです。だからこそ、お城は当時のその地域のシンボルになり得ました。別言すれば当時の政治や社会をお城から研究できるのです。