「研究」の醍醐味ってなんですか? 「お城」考古学研究の第一人者に話を聞いてみた #学問の面白さ (6/7ページ)
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つまり城郭考古学は過去の社会を究明する歴史の学問であるとともに、お城の整備・復元を通じて、地域社会の未来をつくる学問でもあるのです。
それを実践するために、全国を飛び回ってお城の調査や復元を自治体と一緒に考えています。また可能な限り講演を承って、市民に直接お城の魅力を語り掛けています。北海道から沖縄までお城のない都道府県はありませんから!
――これまでに失われてしまった城跡というのはあるのですか?
たくさんあります。日本の高度成長期には開発があっても中世や近世の城跡は調査せずに壊してしまう、といったことが多くありました。お城にとっては不遇な時代でした。
――どのくらいのお城の遺構が失われたのでしょうか?
日本列島には3万カ所以上のお城があったと考えられます。ここ50年ほどの間に1,000カ所は一部が壊されたり、完全に失われたのではないでしょうか。幸い、現在ではお城も埋蔵文化財の一つに位置付けられて、開発の前には必ず発掘を行うことになっています。
大学生が大学で学ぶ意味とは?――「大学で学ぶこと」自体が、研究者にでもならない限り意味がないではないか、といった意見も多いですが、大学生が大学で学ぶ意味とはどんなことだと先生はお考えでしょうか?
一つのテーマを掘り下げ、証拠に基づいて多角的に考察して結論を導き出す大学の学びは、学問分野に限らず、社会人に広く求められる「問題を発見して解決する能力」に直結します。そして歴史や考古学を大学で学ぶことで、世界の動きをロングターム(長期間)で捉える視点を身に付ければ、現実社会をより深く理解できます。
――ありがとうございました。