福島母子4人遺体事件 現場近辺にあった指定暴力団の「武器庫」 (1/5ページ)
福島県いわき市で起きた無理心中とみられる母子4人遺体事件。母親と子ども3人が車中で死亡しているのが発見されたわけだが、現場は人気のない山中。実は、交通の利便性が高い同周辺は暴力団組織の「武器庫」として使われることがあるのだというーー。
4人の遺体は福島県立医科大学に運ばれ、法医学の専門家が調べたところ、致命傷はいずれも首の刺し傷と判明した。
殺害されたのは、東北有数の港である福島県小名浜港近くのアパートに住む職業不詳の吉川美奈子さん(43)と、息子で中学3年生の歩夢(あゆむ)さん(15)、そして双子の娘の茅乃(かやの)さん(13)、海音(かいね)さん(13)である。2人は兄が通う小名浜第一中学校の2年生。
茅乃さんは出血性ショック死、他の3人は失血死だった。
近くに住む40代の女性によれば、
「ただただびっくりして、何が起こったのか、いまでも信じられません。お母さんや子ども3人も明るい性格で、挨拶もしっかりするし、とても礼儀正しい一家でした。親子関係もよかったし、ハタから見て羨ましいほどでしたよ」
それなのに何故、4人は突然、命を奪われたのか。
男の声で「人を刺した」と110番通報があったのは、1月22日の午前1時半頃。いわき中央署の署員が現場に急行すると、いわき市三和町の水石公園駐車場に黒っぽいミニバンタイプの車があり、助手席に母親の美奈子さん、後部座席に歩夢さんと茅乃さん、その後ろの席に海音さんの遺体があった。
運転席では、意識もうろうの男(51)が首や腹から血を流していた。
「4人を殺して自分も死ぬつもりだったが、死に切れなかった」
と男は話し、車内から血の付いた包丁や短刀が見つかっている。
水石山で無理心中事件が起きたと聞いて、本誌記者らも現場に駆け付けた。この山には何かと因縁があったからだ。間もなく丸9年を迎えるが、2011年3月に起きた東日本大震災と福島第一原発事故後のこと。
避難地域の無人家屋で貴金属類を狙った窃盗事件が多発し、犯行グループの追跡取材を続けていた。