皿と命のどっちが大事だ!天下の御意見番・大久保彦左衛門に意見した一心太助 (3/6ページ)
大事な皿を割ってしまい……
さて、頃は江戸のはじめ、第三代将軍・徳川家光(とくがわ いえみつ)の時代。大久保彦左衛門の屋敷にお仲(なか)という女中が奉公しておりました。
このお仲、何でも真面目で一生懸命なのはいいのですが、そそっかしいのが玉に瑕(きず)……という訳で、お約束のように大事なお皿を割ってしまいます。
彦左衛門の大事な皿を割ってしまい、途方に暮れるお仲(イメージ)。
それが例によって8枚1セットの高級なヤツで、その価格と言ったら、盗んだら首が飛ぶとも言われる5両はゆうに超えたでしょう。
「お殿様、どうかお許し下さいませ……!」
泣いて謝るお仲でしたが、彦左衛門は許せません。
「これはさる方よりの頂きもので、家宝とも思っておった大切な皿……おのれ、ただでは済まさぬ!」
今にも刀の柄に手をかけそうな勢いでしたが、そろそろ登城の時刻が迫っていました。