皿と命のどっちが大事だ!天下の御意見番・大久保彦左衛門に意見した一心太助 (5/6ページ)

Japaaan

お目覚めですかい、エヘヘ」

介抱された彦左衛門が寝床の中で目を覚ますと、枕元には恐縮した太助はじめ、家中の一同が心配そうに見守っていました。

一瞬で先ほどの経緯を思い出した彦左衛門は激昂します。

「ぬぁにが『お目覚め』じゃ!おのれ太助、家宝とも思っておった大切な皿ばかりか、主人であるこのわしの頭まで叩き割りおって……ぁ痛た……」

「殿、どうかご安静に!」

家来に支えられる彦左衛門に、太助は真顔で諫言します。

「あのな……さっき、お殿サマはあの皿を、家宝つまり家の宝だって言ったな。だがよ。皿なんぞいつかは割れるし、また焼きゃあいいが、人はいっぺん殺したら、もう二度と戻らねぇんだよ」

「そもそも、家ってェは人間あってのモンだ。どんなに高級な皿が何枚つくなってようが、それだけじゃ将軍様へのご奉公はかなうめぇ?やっぱり、家の宝と言やぁ人間に勝るモンはねぇよ」

「あとな……割っちまった張本人が言うのもナンだけど、皿の1枚や8枚でオタオタしねぇでくれよ。大久保彦左衛門ってやぁ、かの東照神君(徳川家康)のご生前、一歩も怯まねぇで異議を申し立てた、泣く子も黙る『天下のご意見番』じゃねぇか」

笑わば笑え。いつも武骨で大真面目、徳川三代にたびたび諫言した「天下のご意見番」大久保彦左衛門(たらいに乗っている人物)。

「……いつも講談で話してくれたろ?長篠の合戦以来、数々の戦場(いくさば)で武功を上げて、命を惜しまず奉公したってよ。

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