城が欲しくば力で奪え!戦国時代、徳川家康と死闘を繰り広げた女城主・お田鶴の方【下】 (5/6ページ)
徳川方300余り、城兵200余りの犠牲を出す激しい攻防が日没後も繰り広げられました。
「敵を一睡もさせるな!かかれ、かかれ……っ!」
元より死ぬ気でいるゆえ、休息なんて必要ない……お田鶴の方は手分けして夜襲を繰り返し、縦横無尽に徳川方の陣中を掻き乱します。
しかし、夜が明けると流石に疲労困憊、圧倒的優勢の徳川方に押され続け、二の丸、三の丸が陥落。ついに本丸を残すのみとなってしまいました。
壮絶な最期と、手向けられた椿の花「……残った者は、これだけか……」
お田鶴の方の周りには、侍女17名が控えるばかり。
「若君はお逃がし申した」
「そうか、ならばよい……皆の者、これまで妾の我が侭にもかかわらず、よう従い、戦うてくれた。そなたらは女子ゆえ、降れば一命は助かろうぞ」
そう言って降るくらいなら、最初から戦いなどしない……既に覚悟を決めていた主従18名は、手に手に得物を取って最後の突撃を敢行。全員一丸となって玉砕しました。
「女城主を討ち取ったぞ……!」
お田鶴の方が討死したと聞いて、生き残っていた城兵たちは戦意を喪失。