源頼朝の遺志を受け継ぎ武士の世を実現「鎌倉殿の13人」北条義時の生涯を追う【七】 (2/8ページ)
「その節は我ら一同、誠に世話になったのぅ……」
死地を彷徨ったあの敗北からちょうど2か月、両雄の立場は見事に逆転していました。頼朝は御家人の一人で、景親の兄である懐島平太郎景義(ふところじま へいたろう かげよし)に問いかけます。
「おい、懐島の。お前ェの弟、助けてやろうか……?」
たとえ腹違いとは言え、弟は弟。助けて欲しくない訳はありません……が、ここで「敵」に情けをかける様子を見せれば、今後自分や一族の立場が危うくなりかねません。
「……佐殿にお任せ致しまする」
殺すなとは言えないが、殺せとは言いたくない。こうなったら、頼朝に判断を任せるよりありませんでした。そんな心情を察した頼朝は、景義に命じます。
「そうか……ならばそなたが斬れ」
せめてもの情けなのか、あるいはとんだ悪趣味か……頼朝の下知に、一同は騒然としました。処刑するのは当然としても、何も兄に斬らせることはなかろうに……。
「佐殿。