「理想の女性」にただ一つ欠けていたもの…源氏物語の正ヒロイン「紫の上」の憂鬱【上】 (1/5ページ)

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「理想の女性」にただ一つ欠けていたもの…源氏物語の正ヒロイン「紫の上」の憂鬱【上】

平安文学における最高峰の一つ『源氏物語(げんじものがたり)』。やんごとなきパーフェクト貴公子・光源氏(ひかるげんじ)が数多のヒロインたちと織りなす恋愛模様を描いた名作として、今なお多くのファンを惹きつけています。

言い換えると、光源氏は「美女と見れば片っ端から手を出していたプレイボーイ」な訳ですが、世間の風評とは裏腹に、彼の行動は終始一貫して「理想の女性像」を追い求める「一途さ」によるものでした。

そんな光源氏が生涯の伴侶として見つけたのが、物語の正ヒロイン「紫の上(むらさきのうえ。※以下、紫)」。いったい彼女がどんな生涯を送ったのか、今回はそれを(かなりざっくりながら)紹介したいと思います。

光源氏と出逢った孤独な少女

紫は先帝(※)の皇子である兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)とその側室である按察使大納言女(あぜちだいなごんのむすめ)との間に生まれます。

(※)一般的に先帝と言うと「現時点から一代前の天皇陛下」を指しますが、『源氏物語』では特定(今上・桐壺帝の一代前)の天皇陛下お一人を指す名称と推定されています。

しかし、正室(北の方)からの圧力によって父とはめったに会えず、母も紫を産んですぐ亡くなってしまったため、母方の祖母(北山の尼君)に育てられました。

そんな暮らしが10年ほど続いたある日のこと。北山へ療養にやって来た光源氏(20歳前ごろ)は、紫に一目ぼれしてしまうのです。

紫に一目ぼれする光源氏。土佐光起『源氏物語画帖』より。

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