平安京は犯罪都市だった?平安時代の強盗たちの犯行記録から見えてくる人々の姿 (6/8ページ)

Japaaan

一方、大神福童丸は蒔絵櫛筥(銭10貫)や紫檀念珠(銭貫)などと言った高価で持ち運びやすいものを選んで奪っており、犯行前の下調べなど充分に行っていたであろうことが推測されます。

銀の仏像(銭10貫)を盗み出した能登観童丸もそうですが、名前から分かる通り彼らは寺院に仕えており、自分の身近に高級品がたくさんあることに気づき、欲に目が眩んでしまったのかも知れません。

他にも気の利いた者は多額(たいていは重くて多量)なものと同時に輸送&逃走手段として馬も奪っており(あるいは予め用意してあり)、こうした犯罪においても「仕事ができるorできない」の差は顕著に表れるようです。

盗品などから浮かび上がる強盗たちの素顔

被害金額ランキング
第1位 田辺延正(7種類、銭76貫300文)

第2位 大神福童丸(4種類、銭15貫700文)
第3位 菅野並重(3種類、銭12貫500文)
第4位 能登観童丸(1種類、銭10貫)
第5位 藤井国成(3種類、銭7貫500文)
第6位 清原延平(2種類、銭5貫200文) ←この辺りが合格?ライン

第7位 岩松(4種類、銭4貫200文)
第8位 紀重春(1種類、銭2貫)
第9位 大春日兼平(7種類、銭730文)
第10位 津守秋方(1種類、銭100文)

※延正は別格として、合格?ラインは銭5~10貫以上と見られ、それ未満の稼ぎだと、リスクを冒してまで強盗に及ぶのはコスパが悪そうです。

今回のMVPは最高金額(銭76貫300文)達成者の田辺延正として、対する今回の「残念大賞」は大春日兼平で文句なしでしょう。

兼平は手当たり次第に7種類も奪いながら、その価値は銭730文にしかならなかった徒労っぷりはもちろん、50歳(※)にもなって強盗に走らざるを得なかった境遇は、同情するに余りあるものです。

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