浮世絵師・鈴木春信は何故か「空を飛ぶ女」を描くのがお好き (1/7ページ)
鈴木春信(すずきはるのぶ)といえば、言わずとしれた浮世絵の大家です。その作品の内容も多岐に渡りますが、何故か「飛ぶ女」シリーズ・・・と括ってもいいような、空を飛ぶ女性たちを描いた浮世絵が何点か見受けられます。
今回は日本人にも身近な鳥である“鶴”に乗った女性を描いた作品をご紹介します。
鶴に乗る女性
上掲の絵のタイトルは「やつし費長房」です。
まず“やつし”とは、古典的な題材や人物を当世風に置き換えてみること。当世風と言ってもこの時代のことを指しますので江戸時代ということになります。
“費長房(ひちょうぼう)”とは中国後漢の時代に“仙人”になることを望む修行者の一人でした。“仙人”とは中国本来の神々や、修行を重ねて神に近い存在になった者たちの総称です。
ある日費長房は売薬店を営む“壺公(ここう)”という老翁が、落日のときに店先に吊るしてあった壺にするりと入りこんだのを目撃します。