”盛る”という言葉の語源は?「山盛り」ご飯にみる日本人の食への想い (4/6ページ)
他の食材も小高く盛られていますね。これが、当時の平均的な食事内容だったのでしょう。
また、室町時代のものとみられる『酒飯論』には僧たちの食事風景が描かれています。ここでもやはり、朱塗りの椀に白米を「高盛り」にして食べている姿が見受けられます。
さらに鎌倉時代や戦国時代の武士たちの食事風景を描いた絵でも、ご飯やそれ以外の食べ物が「高盛り」「山盛り」にされている例はたくさんあります。
そういえば、これは余談めきますが、テレビアニメ『まんが日本昔ばなし』でも、茶碗に白米がとんでもない高さで盛られた場面がよく登場しましたね。ちょっと大げさだったとはいえ、あの描き方には、実はちゃんと歴史的な根拠があったことが分かります。
ご飯を「高く盛る」「山盛りにする」理由それにしても、なぜ日本人はこれほどまでにご飯を「高盛り」あるいは「山盛り」にして食べてきたのでしょうか?
先ほど述べたように、食べ物を「盛る」行為は、豊穣な自然の恵みのパワーや、神様へのお供えに匹敵する神聖さを「盛る」ことでもありました。
これを、さらに「高く」「山のように」盛るのですから、昔の人がそこにどんな気持ちを込めていたのか、なんとなく想像がつきますね。
そういえば、昔の日本人にとっては「山」も神聖な存在でした。祭りなどで神霊を招くための設置物を「作り山」と呼んでいましたし、今でも祭礼での出し物を「山車(だし)」と書きます。ご飯を「山盛りにする」ことは、こうした神聖なイメージと無関係ではなかったはずです。
さらに付け加えると、「盛る」と同じような言葉に、ご飯を「よそう」というのがありますね。これの語源は「ご飯をよそおう」で、漢字で書くと「装う」「粧う」となります。
