科学者が生み出した悪魔を科学者がエクソシストとなって挑む。思考実験「マクスウェルの悪魔」の顛末 (4/5ページ)

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・科学者エクソシストにより悪魔は劣勢に追いやられる
1982年、物理学者チャールズ・ベネットによって、この2つのピースがつなぎ合わされた。彼の功績は、マクスウェルの悪魔が本質的に情報処理機械であると気がついたことだ。
悪魔=情報処理機は、ドアを開閉するタイミングを決めるために、個々の粒子についての情報を記録・保存しなければならない。となると、定期的に情報を消す必要もある。
ランダウアーの原理によれば、粒子を区分けすることによるエントロピーの減少分よりも、情報を消去することによるエントロピーの増加分のほうが大きい。つまり悪魔は神の摂理に容易には逆らえないということだ。
21世紀に入ると、科学者たちはマクスウェルの悪魔に容赦のない追撃をくわえた。理論だけでなく、その正しさを確かめるために現実の実験を行うようになったのだ。
2007年、光で動作するゲートを利用して、マクスウェルの悪魔の行為が実演された。2010年、悪魔が持つ情報から生じたエネルギーを利用して、ビーズを操作することに成功。
さらに2016年、マクスウェルが想定した気体を光に置き換えて、超小型のバッテリーを充電するという応用すら可能になった。