もうおしまいだ…没落士族の悲哀を描いた明治時代の歌舞伎「水天宮利生深川」を紹介 (4/6ページ)

Japaaan

どんな時でも、我が子は可愛い(イメージ)

死にたいけれど死ねず、生きたいけれど生きられず……もうどうすればよいかわからなくなってしまった幸兵衛は、ついに発狂して踊り出し、裏長屋を跳び出します。

「♪あひゃひゃひゃひゃ……♪」

「「「何だどうした、何事だ……!」」」

騒ぎを聞いて駆けつけたご近所さんたちは踊り狂う幸兵衛を必死に説得するも耳に届かず、とうとう赤ん坊を抱えたまま川に飛び込んでしまいました。

水天宮様のご加護で大団円

「おい、早く助けるんだ……!」

さて、ご近所さんたちに助け出された幸兵衛は水の冷たさで目を覚ましたのか、正気に戻っており、懐の赤ん坊を見ると、幸兵衛が持っていた水天宮(すいてんぐう)のお守りのお陰で水を飲まず、無事のようです。

水天宮とはかつて壇ノ浦の合戦(寿永4・1185年3月24日)で入水自殺した第81代・安徳天皇(あんとくてんのう)をお祀りしており、子供を守る神様(ほか子宝や安産など)として崇敬を集めていました。

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