太陽光だけで海水を飲料水に変える装置が開発される。わずか460円程度の材料で一家の飲料水を賄える (1/3ページ)
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世界では人口の3分の2が水不足で悩まされていると言われている。この問題を解決するために、海水を真水にする技術がさかんに研究されている。
そしてこのほど、マサチューセッツ工科大学などの研究者が、画期的な海水の淡水化装置を考案した。
新開発のシステムは、太陽光の熱と水の自然な循環を利用することで、塩分の蓄積を防ぎ、電気もいらない。しかもどんな家庭にもあるたった460円程度の材料で、1世帯に必要な飲料水をまかなうことができるそうだ。
・従来の淡水化装置の弱点を克服
これまでの太陽光を利用した淡水化システムは、海水を装置内に引き込むために”芯”が利用されていた。
問題はここに段々と塩が溜まって、機能しなくなってしまうことだ。これを掃除するのは簡単なことではない。
そこで新しいシステムでは、面倒な芯の代わりに、仕切りで海水を上下の2層に分けるようになっている。
装置を海水に浮かべると、仕切りにいくつも開けられた穴から海水が上の層へと流れ込む。上部層は熱を吸収しやすいように黒い素材が使われており、水はここで太陽光で加熱されて蒸発。この蒸気を回収し、水として利用する。
このとき、海水に含まれていた塩分が残される。このまま放っておいても、塩分が仕切りの穴を塞いで使えなくってしまうということはない。ここに研究グループの頭の冴えた工夫があるのだ。
実は穴はちょうど2.5ミリに設計されている。というのも、それが水が自然に対流しやすいぴったりの大きさだからだ。
太陽光の熱で温められた上層の水は、塩分の密度が高くなる。その分重くなっているので、穴を通じて下層へと沈み込む。同時により軽い海水が上層へと上がり、そこで温められてと、このサイクルを繰り返す。
海水の対流も気化も太陽光の熱の作用なので、電気も必要ない。