「鎌倉殿の13人」小四郎、武衛、ブエイ… 上総介広常ロス続出中の第15回「足固めの儀式」振り返り (2/9ページ)
でも、これほど視聴者の心に残る死に方もなかった、とも言えるかも知れません。歌川芳虎筆
『吾妻鏡』や『愚管抄』などの史料をざっと読んでいれば、広常が斬られることは覚悟していたはずです。
しかし、三谷脚本はそんな覚悟(ガード)を回り込んで殴りつけるようなインパクトを加えます。
梶原景時(演:中村獅童)に斬りつけられて一刀では死なず、咄嗟に手をかけた脇差は善児(演:梶原善)によって抜かれていました。
衆人環視の中で広常は逃げ出し、その烏帽子は脱げて髻もあらわに……当時の成人男性にとって、これ以上の醜態はありません。
(前に亀の前事件で、髻を切られた牧宗親の哀れさが、それを引き立てています)
「小四郎……小四郎!」
誰もがこの異常事態を知りながら、謀叛を赦された御家人たちは見て見ぬふりで、泣きそうな小四郎は俯くばかり。
そして最も惚れ込んでやまない「武衛」頼朝が現れるも、小四郎に対する「よればお前『も』斬る!」の一言で絶望の淵に叩き込まれます。
小四郎の涙がせめてもの救い……いつものように(あぁ、お前=小四郎も大変だな)と思ったか、あるいは(仕方ない、これも武衛のためだから)と死を受け入れたのか……。
恐らくは、両方の意味を込めた微笑だったのだと思います(そうであって欲しいと願います)。
そして死後、甲冑の中に仕込んだ願文。