女優・ミュージシャン・声優……。多才な松下奈緒が「強くてブレない」理由 (1/4ページ)
取材・文:ミクニシオリ 撮影:佐々木康太 編集:杉田穂南/マイナビウーマン編集部
すっと伸びた背筋で、いつも凛と微笑んでいる彼女の名前は、松下奈緒。
女優業とミュージシャンを両立させながら、現在は声優業にも挑戦している。忙しい毎日を送る彼女だが、取材場所に現れた彼女は、今日も姿勢がよく美しい。そして、朗らかに私に挨拶をしてくれた。
音楽の現場と撮影現場を日々、往復している。聞くと、「プライベートの時間が欲しいと思うこともない」なんて笑って話してくれた。なぜ彼女はいつも、こんなに強くいられるのだろう。その原点には彼女の強さはもちろん、ある意味おおらかな「思い切りの良さ」も見えてきた。
■「仕事は自然なライフワーク」
松下さんが声優に初挑戦したのは、2017年に公開された映画『ドクター・ストレンジ』。メインキャラの一人でもあるクリスティーンの日本語吹替役を務めた。
5月4日にはその続編『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が公開される。声優の仕事は松下さんにとって5年ぶりとなる。
「作品の良さもさることながら、声を演じたクリスティーンという女性は、本当に魅力的なキャラクターなんです。かわいくてキレイで、頭が良くてユーモアがあって……。同性の目線から見ても憧れの女性。だからこそ、声を入れることが難しかったです。
前作から5年が経ちましたけど、クリスティーンは変わってないんですよね。だから、私が変わってしまっていてはダメだ、と身が引き締まる思いでした」
普段から女優として役を演じることには慣れている松下さんだが、“声を入れる”ということには特別な難しさを感じるのだそう。
「映画やドラマで役を演じる時は、表情や仕草まで演じますよね。普段はトータルで入り込むキャラクターに、声だけで入り込むのはすごく大変でした。でもレコーディングが進むうちに、『もっともっとクリスティーンらしく演じたい』という欲がどんどん出てきて。レコーディング前には前作の吹替版を何度も見返して、工夫しました。」
話をする姿勢には、柔らかさはありながらも自分にストイックな厳格さを感じる。