後鳥羽上皇、ついに挙兵!北条義時の義兄弟・伊賀光季の壮絶な最期・前編【鎌倉殿の13人】 (5/6ページ)
我が子には生き延びて家名を受け継いでもらいたい。そう考えて光季は、光綱に逃げるよう命じます。
「鎌倉にいる姉が千葉殿(千葉胤綱。千葉介常胤の曾孫)に嫁いでいるから、そこで保護してもらいなさい」
しかし寿王改め光綱は、頑として父の言いつけを断りました。
今宵限りのどんちゃん騒ぎ「親を見捨てる卑怯者に成り下がっては、たとえ命を永らえても世の誹りは免れません。どうあっても、武家の男児として父上と生死を共にいたしまする」
泣きながら訴える光綱を抱きしめ、光季も泣きながら喜んだ。
「よう申した。それでこそ伊賀家の惣領に相応しい。では治部よ、寿お……もとい光綱に具足を着付けてやれ」
かくして初陣にして最期を飾る伊賀光綱の晴れ姿は、こんな具合。
・長絹(ちょうけん)の直垂(ひたたれ)小袖(こそで)
(しっかりと糊の効いた生地の直垂の中に小袖を着ている)
・萌葱匂(もえぎにおい)の小腹巻(こはらまき)
(萌葱色のグラデーション。下から上にかけて色が濃くなるのを匂という。逆は裾濃-すそご。腹巻は腹部に巻いて保護する鎧の一種で、肩を保護する大袖のないもの)
・箙(えびら)には染羽の矢を25筋
(箙は矢の携帯ケース、矢羽を染めた矢を25本。何色かは不明)
・重藤(しげどう)の弓
(弓の束を黒漆で塗り、上から藤を巻き固めたもの。