燃え盛る炎の中で…北条義時の義兄弟・伊賀光季の壮絶な最期・後編【鎌倉殿の13人】 (8/9ページ)
意:西方はるか彼方にある極楽の主たる阿弥陀さま)。生きとし生けるすべての魂を救われるあなたの願いが確かであるなら、どうか我らを迎え給え」
光季は念仏を三十度にわたって繰り返してから腹を掻っ捌き、先ほど投げ込んだ寿王の亡骸の上に覆いかぶさりました。
「死出の旅路の殿(しんがり)は、それがしこそが仕る!」
光季父子の最期を確認した贄田四郎は矢も尽きたので抵抗をやめ、これまた腹を掻き切って光季父子の上に重なったということです。
エピローグ……光季、昨日マデハ鎌倉殿ノ御代官トシテ、都ヲ守護シテ有シカバ、世ノ覚へ時ノキラ肩ヲ双ル人モナシ。宿所モ宮殿楼閣ミガキシカ共、今日ハ片時ノ灰儘トナリ、セバキ名ヲ耳残シケルコソ哀ナレ……
※『流布本 承久記より』
【意訳】昨日までは鎌倉殿の代官として京都守護職の任にあり、権勢を極めていたのに、今日はその館も灰燼に帰した。今となっては名誉ばかりが人々に伝えられ、無常を感じずにはいられない。
かくして伊賀光季主従は全滅し、朝廷方は焼け跡から焦げた首級をめいめい持ち帰っていきました。