男娼ガイドブックに男色小説…実は生粋の男色家だった発明家・平賀源内による男色系作品の数々【後編】 (4/7ページ)
「いわば、女色は『甘き蜜』、男色は『淡き水』……無味の味は、佳境に入った者しか味わうことができないそうです。その瀬川菊之丞とやらの役者絵をひと目見たいものです」と閻魔大王にせがんだのでした。
「勝手にしろ!」と閻魔大王が目を瞑ったので、輪転王は菊之丞の役者絵を壁に掛けたところ、あまりの美しさに地獄の獄卒たちはどよめき、感嘆の声を上げたそう。
周囲の声があまりにも大絶賛しているため、我慢できず目を開けてしまった閻魔大王。菊之丞の役者絵に見惚れて、高い玉座から転げ落ちてしまいます。
「冥府の王位を捨ててシャバに行き、菊之丞と枕をともにする」と血迷い、ふらふらと地獄から出ていこうとするところを、「けしからん!」と、邪淫の罪を裁く宗帝王に怒鳴りつけられてしまうのでした。
そこで「瀬川菊之丞を捕まえて地獄に連れてこよう!」という話になるのですが、地獄の帳面を見てみると菊之丞の命が尽きるのはまだ先。
早く菊之丞を連れてきて「肌に触れてみたい」と恋焦がれる閻魔大王に、人の一生を見届けて善悪を監視する「見る目」が、「菊之丞は、近いうちに役者仲間と連れだって舟遊びに行くので川の中に引き摺り込んで地獄に連れ込みましょう」と、そそのかします。