大河「べらぼう」蔦屋重三郎と瀬川を生涯結ぶ2冊の本 『心中天網島』『青楼美人』の紹介と考察【後編】 (2/7ページ)
蔦重にもらった『青楼美人合姿鏡』を見て涙ぐむ瀬川(NHK「べらぼう」公式HPより)
一瞬の夢をみさせてくれた忘れ得ぬ「本」『心中天網島』の本に、偽造したの通行証を挟んで渡すも、計画は未遂のまま頓挫。
けれども、足抜けは実行できずとも、「一緒に逃げよう。心中も辞さない覚悟だ」という本気のメッセージを託し偽造通行証を挟んだ『心中天網島』という本は、瀬川にとっては一生忘れ得ぬ夢を見せてくれた本として心に残り続けるでしょう。
身請けされ吉原の大門を出ていく瀬川最後の花魁道中で、まばゆく輝く白無垢姿になった瀬川からは、四代目のように自害もしない、心中もしない、「私はあんたがくれた想いと覚悟だけで生きていく」そんな胸のうちが聞こえてくるようでした。
白無垢の胸元には、「女 しお」と蔦重が書いた通行証のを忍ばせていた(瀬川は、「しお」という部分だけを破り取り、残りを蔦重に返していた)のではないでしょうか。