『べらぼう』幻の英雄・佐野政言が歪めた真実。ついに意次・誰袖・蔦重の「敵討ち」が始まる【前編】 (7/9ページ)
七ツ星の龍とは田沼意次のこと。
この一連の事件は「裏で糸を引いている者がおるとは考えられませんか?」と、蔦重は田沼意次に伝えました。そして、不審なことだらけの平賀源内の投獄を見逃し、うやむやにしてきたツケが今の事態を招いているのでは?とも。
そんな蔦重に「あやつ(意知)が討たれたのは、俺のせいだ。」と、脇差を手にお前の手で俺を討てと迫ります。
「俺は筆より重いもんは持ちつけねえんで」と涙を浮かべる蔦重。これは“単純に意次を「刀で斬る」ことを拒んだのではない”でしょう。
侍にとっての戦いの武器が「刀」であるとしたら、町人で本屋である蔦重の武器は「筆」。
その「筆」で、「俺は、自分の武器である『筆』で、意知様の敵討ちをする」という、決意を意次に伝えたのだと思います。
「だから、意次様も源内先生の時のようにうやむやにせず、必ずこの『陰謀の主』にきっちり仕返しをお願いします」という意味も含めていたのではないでしょうか。
一度は蔦重を追い返す意次ですが、後日手紙を出します。そこには
「思案の結果、私(意次)の敵討ちは、山城守(意知)が生きて成就すべくことをなすべく、その方法こそが、私の敵討ちとしたい」
としたためてありました。