『べらぼう』憔悴の誰袖に笑顔が戻るも…今後訪れるさらなる悲運は史実を基にどう描かれる?【後編】 (6/8ページ)
ひとしきり笑った誰袖は、本の話のばかばかしさに笑ったことで凍てついた心が溶けてきたのでしょう。
同時に、蔦重がこの本を作るために時間をかけてアイデアを練りクリエーターが文章を書いて絵を描き、版を作って刷り絵げて製本する、そんな手間をかけて自分のために作ってくれたそんな家族のように大切に思ってくれている温かい愛情が伝わったのでしょう。もちろん、ずっとそばにいてく面倒をみてくれていたしげ(山村紅葉)への感謝も。
「許してくだりんすかねえ、雲助様は。後すら追えぬ情けねえわっちを。」
と呟く誰袖の足元に、「もちろん許すよ」とでもいうかのように、季節外れの桜の花びらがひらひらを舞い落ちてきます。気がついた誰袖は木を見上げながら庭に降り立ち、そこに意知の存在を感じているかのようにじっと見つめます。
「許すっておっしゃってるんじゃないですか」としげ。「ああ、そんなお前だからとびきり好きだってな」と蔦重。
微笑みを浮かべた誰袖は恒例の「しげさんのお尻さわり」を復活させます。今まで心配させた謝罪の言葉を並べるよちも、いつもの誰袖らしい振る舞いをしたほうが、しげが心から安心して喜ぶだろうと知った上の行動でしょう。
皆が笑顔になったところで、花を見上げながら笑顔ながらも涙に潤んだ声で「次はいつお越しになりんす?」と言う誰袖が、切なかったですね。