『べらぼう』より攻めたお上批判を!運命が大きく変わる“抗う道”を選んだ蔦重とチーム蔦重たち【後編】 (7/9ページ)
そこに現れた次郎兵衞にいさん(中村蒼)が「定信は黄表紙のファンで、恋川春町や蔦屋のファンだ」という情報をもたらすのですが、これが蔦重や恋川春町のその後の運命を大きく変える道を選ぶ後押しになってしまうのでした。
うまくいかないことは“間違”いではないと…第35回『間違凧文武二道』。タイトルの“間違”を思わせる流れは随所にありました。
上り調子の時に読んだ黄表紙本の内容を、自分へのエールだと間違って捉えてしまった松平定信。「すべて田沼のせい」という思い込みと新しい老中への期待から「松平はすごいということだ」と間違って解釈する庶民。さらに、黄表紙本の中に登場する“ぬらくら”や“トンチキ”たちの間違った行動。さらに、伝わらないという気持ちから、危険な方向へ踏み出した蔦重やチーム蔦重。
定信は、自分が必死に励んでいる改革なのに、将軍は政には興味はないわ、反田沼で結びついたかと思った一橋は、能に夢中になり平気で賄賂も受け取っているわ……な状態です。徐々に自分の思うようにことが運ばなくなると、今までは面白く感じていた黄表紙が、気に障り出すのではないでしょうか。
そして、今までは「すべて田沼のせい」と怒りの矛先を向けていられたのに、仮想敵の亡きあと、自分の改革が上手くいかないのは「お前のせいだ!」というスケープゴートが必要になる。
そんな空気の中でかなり攻めている『鸚鵡返文武二道』を読んだら……恐ろしい状況になりそうですね。