『べらぼう』暴走する蔦重と定信をたしなめる人々と、「そうきたか!」な蔦重マジック【後編】 (2/8ページ)
「女郎は親兄弟を助けるために売られてくる『考の者』」と説くてい
牢に入れられた蔦重が、詮議の場で定信を相手に盛大に「戯けた」(批判した)ことを聞き、妻てい(橋本愛)は気を失ってしまいました。けれども、メソメソと泣くような女性ではありません。女将として夫・蔦重を助ける決心をし、定信が信を置く儒者・柴野栗山(嶋田久作)に会います。
「夫は女郎が身を売る揚代を、客に倹約しろと言われていると嘆いておりました。遊里での礼儀や女郎の身の上、左様なことを伝えることで、女郎の身を案じ、礼儀を守る客を増やしたかったのだと思います」と、伝えます。
ていは、離婚した前夫が吉原通で店を潰してから、遊里には偏見を持っていました。そんな、ていの口から「女郎は親兄弟を助けるために売られてくる『考の者』。不遇な考の者を助るは正しきこと」という理路整然とした言葉が出てきたのはぐっときましたね。女郎を『考の者』と、まっすぐに称賛するところは心打たれる場面でした。
「どうか…儒の道に損なわぬお裁きを願い出る次第にございます!」と締めたていの凛然とした態度。つくづく身についた「知性」「教養」は、自分だけではなく人をも助けられるものだと感心しました。