『豊臣兄弟!』妻との絆に涙…いずれ秀吉に使える大沢次郎左衛門の生涯と、2つの「嘘から出た実」 (8/10ページ)
ところが、冷静に「いつも断っているのになぜ、このたびは会ってくれたのか。もしやお困りのことがあるのでは」と突っ込む小一郎は鋭い。
“思慮深く観察眼と対人スキルに優れて物事を取りまとめる術にたけていた”のちの秀長を思わせます。
「大沢は織田に寝返る。斎藤龍興は大沢を疑っている」という“嘘”を、“実”にしてしまったらどうだ」と口説きます。自分たちで“嘘”を流しつつ“実”にしてしまいましょうと言ってしまう図太さは、さすが豊臣。これが2つめの“嘘から出た実”。
「信長さまは、あなたさまのような武士(もののふ)が仕えるにふさわしいお方」と熱心に口説きます。
次郎左衛門は「城と領地はこれまで通りにしてくれるのか」と二人に聞き「お約束いたしまする!」と言われて心が動きました。
ところが、せっかく話がうまくまとまりそうな矢先、デマの犯人として、ともの夫弥助(上川周作)が連れてこられてしまいます。
すべて“嘘”と知った次郎左衛門に斬り捨てられそうになり、秀吉は小一郎を庇います。「責めは私が!」と叫び兄らしく弟の命乞いをしますが、斬られそうになった瞬間「やっぱりいやじゃ!死にとうない!」と叫びます。
はぁぁぁ?という表情の小一郎と次郎左衛門。緊迫の場面で、ものすごい笑いを入れてくるのが、このドラマの特徴ですね。
「わしはこの仕事をやり遂げて、侍大将になるのじゃ!そして寧々殿と祝言をあげるのじゃ!わしは寧々殿と夫婦になりたいのじゃ。夫婦になってずっと守っていくと決めたのじゃ」
愚直なまでにどストレートな秀吉の言葉に、次郎左衛門の表情がすっと変わります。脳裡に幸せそうに微笑む妻・篠の姿が脳裡に浮かびました。
およそ侍らしくもない捨て身の秀吉の命乞いと、「惚れた女を一生守りたいから」とどストレートにぶつけてくる勇気に、心動かされます。
思わず刀を下げる次郎左衛門。