4月に急増する「謎の胃痛・下痢」 新生活ストレスが胃腸を壊しやすい理由を専門医が解説 (1/3ページ)
新しい職場、新しい環境。4月はわくわくする季節でもあるが、気づかないうちに体は悲鳴を上げている。「新生活が始まってから、なんとなく胃の調子が悪い」「原因不明の下痢や腹痛が続く」——そんな経験はないだろうか。消化器内科の現場では、この時期に胃腸トラブルを訴える患者が急増するという。なぜ春に胃腸は乱れるのか。天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長の安江千尋先生に詳しく話を聞いた。
診療現場で実感する「春の胃腸トラブル」急増4月の外来では、胃痛・胃もたれ・食欲低下・吐き気といった上部消化管の症状に加え、下痢・便秘・腹部膨満感を訴える患者が目に見えて増えると安江先生は話す。
「新しい職場に配属されてから胃が痛くなった、引っ越して生活リズムが変わってからお腹の調子が悪い、という相談はこの時期に特に多くなります。本人が『ストレスを感じている』と自覚していないケースも少なくありません」
春は進学・就職・異動・転勤など、生活環境が大きく変わるタイミング。さらに寒暖差が激しく、体が環境に適応しようとするだけでも、自律神経はフル稼働状態となる。食事時間の乱れや外食・飲酒機会の増加も重なり、胃腸へのダメージが蓄積しやすい季節でもある。
ストレスが「胃腸」を直撃するメカニズムなぜメンタルの問題が胃腸に出るのか。そのカギを握るのが「自律神経」だ。
自律神経は「交感神経(活動・緊張)」と「副交感神経(休息・リラックス)」の2つから成り立っており、胃腸の動きはこのバランスによってコントロールされている。リラックスしている状態では副交感神経が優位になり、消化・吸収がスムーズに進む。一方、強いストレスや緊張状態が続くと交感神経が優位になり、胃の動きが鈍くなって胃もたれや胃酸分泌の乱れが起きる。
「腸は『第二の脳』とも呼ばれるほど神経細胞が豊富です。脳と腸は『脳腸相関』という仕組みで密接につながっているため、ストレスが脳に加わると、その信号が直接腸に伝わり、下痢や便秘として現れます。