『豊臣兄弟!』信長の草履がつないだ“兄弟の絆”…第28回「急げ!秀吉」で織田から豊臣へ託されたバトン (5/8ページ)

Japaaan

NHK「豊臣兄弟!」公式サイトより

「殿さえご無事なら」兄の気持ちを読んだ小一郎

「本能寺の変」のことを、備中・高松城にいる兄・秀吉に伝えるべく文をしたためる小一郎。

「上様をお助けできなかった」という森乱の最期の言葉は、兄に伝えない決心をしました。

第14話『絶対絶命』で、浅井長政(中島歩)の謀反を知った信長が荒れ狂って闇堕ちしそうな時、自らの足を刀で刺したときの秀吉を思い出します。

「傷を負ってしまったから動けない。浅井・浅倉軍は自分が止めるから、殿は帰ってください。」といい、「殿さえご無事なら、我らは何度でも蘇りまする」と笑顔を見せた秀吉に、思わず信長も涙しましたね。

「殿さえご無事なら」

「殿はまだ無事かも」と希望を残せば、兄はきっと最速で帰って来るはず。兄を熟知している弟ならではの作戦でした。

最初は「わしは信じぬ!」と小一郎の文を破り激怒する秀吉に、文を持って来た前野長康は「真実を知っているので」悲しそうに目を伏せます。

そして、「これが小一郎の字であることは殿もわかっているはずじゃ」と手紙を拾って、再度渡す蜂須賀正勝(高橋努)。諭す言葉に温かみがあり情が伝わります。

これがもし黒田官兵衛(倉悠貴)がいったとしたら「事実のみが冷静に伝わり」秀吉はより激昂したかもしれません。

官兵衛が信長の死を聞いて秀吉に「殿、ご武運が開けましたな」といった、かの有名なセリフは、ここでは採用しなくて正解。

長年の付き合いの正勝が情ある言葉でなだめ、長康の誠実な沈黙(信長の死を隠してはいますが)がしばし考える間を与え、少し気持ちが落ち着いたところで、官兵衛が冷静に次の動きを提案する……

小一郎はそんなふうに先読みしていたのではないでしょうか。

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