外国人材はなぜ日本企業を離れるのか 「採用後の定着」で問われる受け入れ体制 (2/4ページ)
採用時の「スキル」だけでは定着しない


外国人材の採用では、日本語能力や専門スキルなどが判断材料になりやすい。
しかし、入社後の定着を考えると、仕事の進め方やコミュニケーションのスタイル、企業文化との相性なども無視できない。グローバークスでは、採用前の段階で日本語能力や経歴だけでなく、企業との相性も確認しているという。また同社によれば、社内には複数国籍のスタッフが在籍し、10カ国語での対応が可能。入社後には母国語によるカウンセリングなどを通じ、本人が感じている不安や職場との認識のズレを把握する仕組みを設けている。
外国人社員の場合、日本語で日常会話ができたとしても、職場で感じている不満や違和感を細かく伝えることが難しい場合もある。
離職の兆候が表面化してから対応するのではなく、その前段階で相談できる環境を用意できるかは、定着を考えるうえで重要なポイントになる。
ただし、多言語対応や定期的なフォローをすべての企業が自社で構築するのは容易ではない。特に中小企業では、人員やコストの問題から専任担当者を配置できないケースもあり、どこまで社内で対応し、どこから外部の専門家を活用するかという判断も必要になる。
「カルチャーフィット」は企業側にも問われる外国人採用では、しばしば「外国人材が日本企業に適応できるか」という視点で語られる。
しかし、定着を考えるのであれば、企業側が外国人社員を受け入れられる職場になっているかという逆の視点も必要だ。
例えば、業務上の指示を曖昧な表現で伝える、暗黙の了解を前提とする、質問をすると「理解していない」と評価されるといった職場文化は、日本人同士では成立していても、異なる文化的背景を持つ人材には伝わりにくいことがある。