楽しいけれど面倒なSNSとのつき合い方:高橋暁子×米田智彦 対談 (7/10ページ)

タブロイド

内省と実体験が情報化社会の次のフェーズを作る

米田:僕は自覚があるんですが、スマホを日常的に使うようになってから圧倒的に読書をする時間と気力が無くなりました。分断されていないリニアな時間に耐えられなくて、いつの間にか断片的で短い時間軸でしか情報を摂取したり物を考えたりできなくなっているんですよ。だけど大局的に見て創造的なことって思いつきじゃなくて、もう少し時間をかけて思考の井戸に降りていくような感じにならないとたどり着けないと思います。

高橋:本ってパッケージ化された世界観があって、そこから得られるものがすごく大きいんですよね。

米田:時間の経過を伴わないと理解できないことは確実にあるので、分断的に読んで情報を摂取するのと、長い時間をかけて通しで読んで消化していくのとでは、ぜんぜん得るものが違うと思うんです。でも最近はネットのニュース記事にでさえ、冒頭に「ざっくり言うと」という要約がついていますよね。

高橋:本文を読まなくても、その部分だけ読めばわかる気がする。でも読書体験は通しで最後まで読むことで初めて作者が意図したのと同じ体験にたどり着けるわけです。そのようにそのメディアを正しく受容しなくてはできない体験を捨てているんですよね。

米田:今はちょうど情報化社会の次のフェーズに来ていると感じていますが、僕は一方で安心している部分もあります。というのは、生まれた時からネットやSNSがあるデジタルネイティブ世代が、僕らの世代みたいにハマる人を実はちょっと小馬鹿にしているんじゃないかなと思うことがあるんです。こういうものに夢中になって抜け出せないのはバカな大人だけだと。これは使いこなすものであって、マジになってやるものじゃないぞと。

「楽しいけれど面倒なSNSとのつき合い方:高橋暁子×米田智彦 対談」のページです。デイリーニュースオンラインは、ネットなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る