日本人は昔から知っていた 水が持つ「6つの性格」とは? (2/4ページ)

新刊JP



――「地元の水を語るのは地元の人がいちばん」と思われるようになったのはなぜですか?

橋本:よそ者であるわたしがどんなに調べたところで、昔からそこにいる人たちが持つ知恵のほうが優れている。そう思わされることが、これまでに何度もあったからです。その土地その土地で、何百年にもわたって培われてきた水の利用の知恵が残っているものです。

――これまで見てきたもののなかでいえば、たとえばどのようなものがありましたか?

橋本:ある村では、おじいさんが水源ごとにどんな水質が出るかを知りつくしていて、わずか十数メートルしか離れていない井戸なのに、「この水は山の東側から流れていくる地下水だから飲んでも大丈夫だけれど、あっちの水は山の西側から流れてくる地下水だから鉄分を多く含んでいる。だから飲まないほうがいい」という知恵をまわりの人と分かち合っていました。
これからますます自然環境が厳しくなっていくでしょうから、自然と共に生きていくためにも、そういった形で上の世代の知恵が、次の世代へうまく伝承していけばいいなと思っています。

――いま「次の世代」という言葉が出ましたが、本書は主に子どもたちに向けて書かれたのかなという印象を持ちました。本書の執筆経緯を教えていただけますか?

橋本:最初に編集者の方からいわれたのは「あなたが普段、どんな仕事をしているのか分かりづらいから、それが分かるように書いてほしい」ということでした。いわれてみると確かに、わたしはこれまで水に関する本を何冊か出してきましたが、自分の仕事について書いたことはありませんでした。
そこで今回は、自分がどのようにして水に興味を持ったのか、なぜこれまでこのテーマにこだわり続けてきたのか、水ジャーナリストやアクアコミュニケーターといった仕事はどういったものなのか等、自分自身のことについて書くことにしたのです。

――本書の「おわりに」のなかで、「自分について書いたのは初めてだったので、最初は気恥ずかしくもありましたが、最終的には自分のことがよくわかりました」と書かれていましたね。

橋本:今回これまでのことを振り返るなかで、自分は「何かの目標を持って突き進む」ということをしてこなかったなと気づきました。
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