いっそすがすがしい史上最低のゾンビ映画10選 (6/11ページ)
ルチオ・フルチ監督の名作『サンゲリア』の舞台とキャストを使いまわしていることもあり、イタリアンゾンビ映画ファン期待のタイトルでしたが、折角の素材を生かし切ることができず、何とも中途半端な印象。唯一輝いているのはマッドサイエンティストで、かなりのキレっぷりを見せてくれます。
実験の産物であるゾンビは、マッドサイエンティストさんの忠実なる僕で、むやみやたらに人間を襲うことはありません。そのかわり、ヒョロヒョロの食人族がゾンビの分まで頑張ります。エグい描写がけっこう多く、セクシーショットも無駄に多いです。
最低映画と一言で言い切れない魅力のある珍作でしょう。
■『ナチスゾンビ/吸血機甲師団』(1981年)
タイトルからしてどうしようもない予感しかしない作品。史上最低ゾンビものといえばイタリアの専売特許かと思いきや、こちらはフランスとスペインの合作です。
かつて侵略した村で殺され、湖に沈められたドイツ兵が、恐らくフランス美女の裸(トップ画像)がトリガーとなってよみがえり、村人を次々と襲い出します。
殺されたナチスがゾンビになっただけでも当時としては新しいですが、本作の何が他と違うかと言うと、このゾンビの中に、かつて村の女性と恋をして子供を設けた男がいること。彼が逃げ惑う村人の中に成長した娘を発見し、感動の再会を果たすという展開があるのです。