AV業界は自滅する?大規模なガサ入れをした警察の"真の目的"とは【5】 (2/5ページ)
労働者派遣法に対してどう考えるか、どう戦うかといった部分がないという事は、「プロダクションとAV女優の関係性をこれまで通りに受け止めている」と解釈するよりなく、これでは警察の判断通りに「AV女優はプロダクションの管理下にある労働者である」と言っているも同然の内容である。
したがって、逮捕リスク(不法行為)は据え置きで、ルールだけ増える事になるが、それでは業界をさらに窮屈にするだけなのではなかろうか。
前回の法律解説を読み直して欲しいのだが、今後AVの撮影に関して不法行為が行われたと捜査対象にされた場合、容疑者になる可能性があるのは労働者派遣法違反から逃げられないプロダクションだけである。
何故ならば、こうした声明を出した以上は、しばらくの間は撮影内容に問題がある(違法性が高い)作品は撮れなくなる可能性が高いので、強姦や強制わいせつ、または公然わいせつ等が成立するケースは考え難く、それならばAVメーカー・制作会社・女優・男優等は安全だからだ。
早い話が、IPPAの声明は、AVメーカーがAVプロダクションに対し、さらに煮え湯を飲ませようとしているだけとしか受け取れないのである。
■AV業界が目指すべきカタチ連載も6回に突入し、文字量も多くなって来たので、そろそろまとめに入りたい。これまでに述べて来た内容を踏まえた上で「ではセックスワーク業界はどう動いて行けばいいのか」について考えてみよう。
まずは「労働と有害業務」の部分をどうにかせねばならない。セックスワークを取り巻く矛盾を解消せぬまま新しいルールを設けても、それでは逮捕リスクを減らせぬばかりか、単にビジネスを狭める結果にしかならない。よって、どうせ新ルールを作るならば、それは「業界全体の違法性を薄めるもの」でなければならず、業界ルールだけではどうにもならないならば、法の改正に向けて動く必要がある。何を差し置いてもこれが第一だ。
次に、何か被害を受けた場合や、活動する上で困った事があった場合の、ケースワーカー的な窓口の設置である。ここでは税金や保険料の払い方といった、社会人としての基本中の基本の部分も対応してあげる必要がある。