83歳筆者の〈極私的鑑賞ノート〉(3)...私のNo.1映画は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」 (7/9ページ)

Jタウンネット

その意味では、この映画には、可成り強烈なそれらが存在し、到底18歳未満の未成年の視聴に供せるものでは無い。筆者自身、改めてディレクターズカット・バージョンのDVDを見直してみて、暴虐な殺しのシーンや、今や美しい女性に成長し、ハリウッドへ旅立つことになったデボラのために、海辺の貸し切りレストランでのロマンチックなディナーを準備し、「アマポーラ」を演奏する楽士達の中、二人だけでダンスを踊り、浜辺で将来の夢を語り合ったヌードルスが、「彼より、女優の夢を取る」と宣言したデボラを送って行く車の中で、泣き叫ぶ彼女をレイプするシーンが延々と続くのには些か辟易させられた。

それなのに、何故?これまでこの映画をNo.1に挙げて来たのか?改めて、考えてみて、それを訂正した方がよいのでは無いか?とすら思った。そして、その原因は何処にあるのか?想像してみた。そこに明快な答えは無いのだが、考えられるのは、筆者自身が、劇場で公開版を観たときの年齢(多分、アラフォー)より遥に歳を取ったことによる気力体力の衰えか?または(よく言えば)考え方が老成した結果か?或いは劇場公開版では、ディレクターズカット・バージョンと比べて、当然そのようなシーンは(まるっきりカットされることは無いにしても、可成りカットして)短縮された可能性がある、その結果、受け手(観客)の方の抵抗感も軽減したのかも知れない。

また、今では有名女優となったデボラは結婚こそしていないが、ベイリーの愛人として暮らし、一人息子がいる。ところが、その名前はヌードルスの本名、ディヴィッドだという。実際にそれはベイリーの子供なのか、それとも例のレイプの際のヌードルスの息子なのか?その答えは観客の想像に任されている。

3.<謎解きの妙のあること>...この映画は上にも述べたように、そもそも時系列に従って構成されていない。パンフルートのメロディと、登場人物の様子や周りの風景で、そのシーンが現在なのか、それとも過去なのか?観客自身が、直感的に判断しなければならない。
そういうこともあって、観ていると謎が次々と現れて来て、観客には、それを順次解いて行くというスリルがある。その意味ではサスペンスに満ちた推理小説を読み解くような楽しさがある。

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